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夜母の真実

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引用元:フォトAC

題名

夜母の真実

著者

ガストン・ベレフォート

本文

1節

モロウウィンドのモラグ・トングやさらに有名なタムリエルの闇の一党の両方を題材に様々なことが書かれてきたが、いつどのようにしてこの2つの恐ろしい暗殺者ギルドが形成されたのかは曖昧なままだ。

もっと具体的に言うと、前者が後者から生じたということは広く知られているが、いつどのようにして闇の一党がモラグ・トングから離脱したのだろうか。

最大の論点は、どちらの組織でも重要な位置を占めている夜母の存在のようである。

多くの研究や聞き込み調査を行ったことで、多少なりとも自分の命を危険にさらすことにはなってしまったが(闇の一党はこの情報を神聖なものとしているため)、その甲斐あって、ついにこの大昔から続く謎を解き明かした。

2節

もうその女の名前はわからなくなってしまったが、夜母はかつて帝国のシロディール地域にある現在のブラヴィルの町にあたる場所にあった小さな村に住む定命の者であるダークエルフの女にすぎなかった。

彼女はモラグ・トングの一員として評判が高く、仲間同様、暗殺者としてデイドラの王子メファーラへの奉仕を誓った。

その上、組織の中で女性として1番高い地位である夜母の肩書を有していた。

特定の派閥の夜母になるには、その派閥の女性監督者-尊敬され、恐れられるメファーラのお気に入り-になることだった。

しかし、女を恐ろしいものへ変えたのはメファーラではなく、さらに恐ろしい悪魔とも呼ばれる、終わりのない虚無の化身、ドレッド・ロードのシシスだった。

4節

第二紀324年の支配者暗殺に続いて、モラグ・トンで衝突が起こり、シロディールと帝国の大部分でギルドはほとんど絶滅した。

これらの出来事はダンマーの女がシシスの声を聞こえると主張したすぐ直後に起こった。

彼女はドレッド・ロードは立腹していると言った。

彼はモラグ・トンの失敗に不服だった。

彼は彼女に虚無は魂を求めていると言った。

そして、それは物事を正すのは彼女の宿命だった。

闇の一党の伝説によると、シシスは夜母の寝室を訪れて5人の子供をもうけた。

信じがたいことが起きるまでに2年が過ぎた。

ダークエルフの女はドレッド・ロードの最終的な計画をやり遂げた。

ある晩、女は自分の子供たちの息の根を止め、その魂を虚無に捧げた。

子供たちの父親のもとに。

5節

村人たちはこの侮辱的な話を聞いて、女に反発した。

このような行為はモラグ・トンの夜母だとしても理解しがたいことだった。

ある夜、村人たちは女を襲って始末し、残虐事件が起こったその家を焼き払った。

それで、この話は終わった。

とにかく、誰もがそう思った。

6節

それから30数年後、名前は明らかではないがある男は気持ちが安らぐような不思議な声を聞いた。

ダンマーの女が彼女の内側でシシスの声を聞いたと主張したのと同じである。

声は自分を夜母と名乗り、男を最初の“聞こえし者”と名付けた。

不浄なる母は使いを彼のほうへ歩みださせた。

彼は闇の一党として知られる新しい組織を結成した。

それはメファーラではなくドレッド・ロードのシシスへ仕える組織だ。

今やモロウウィンドでのみ生存しているモラグ・トンは忘れられた時代の結果だった。

闇の一党は取引と死を結びつけるだろう。

この組織は富と権力をもって力を伸ばし、虚無は新鮮な魂でいっぱいになるだろう。

夜母は聞こえし者に、それは完璧な取り決めだと言った。

7節

闇の一党の初期の頃に夜母とその子供たちの体はもとの埋葬地から回収され、夜母の家の下に位置する墓地に葬られた。

今日でも残っている。

旅の途中にブラヴィルの町に立ち寄ることがあり、(その地方の習慣に倣って)幸運の老女の像に願いごとをすることがあれば、自分が神聖な地にいることを覚えておくように。

特にあなたが邪悪なものならば。

夜母こと不浄なる母の上に立っているあなたの運は、今まさに尽きようとしているからだ。

 

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